歯と口の Q&A

歯について

Q.歯みがきをきちんとしているのに、むし歯になるのはどうしてですか?
A.虫歯の発生には、その原因となる細菌の量や歯質の硬さ、唾液の影響(浄化作用、緩衝作用、抗菌作用など)そして飲食の頻度や食物に含まれる糖などの要因が複雑にかかわっています。健全な状態で萌出してくる多くの歯が虫歯になるのは、日常生活の中で脱灰力(歯の表面が溶ける量)が再石灰化力(歯の表面がもとにもどる量)よりも優勢になるためです。

むし歯の発生条件:

  • 歯があること
  • 食べ物のカスがあること(食事により歯に付着)
  • 口腔内に細菌があること(人の口腔内には500種以上が生息)
  • 時間の経過(砂糖は口腔内で3分後には強い酸となる)
  • 歯自体がむし歯になりやすい(歯の質や口の中の環境の遺伝/親から子へのむし歯菌の感染)
  • 『きちんとしている』つもりでもみがき残しが多く、汚れが落ちていない
  • 歯みがきをした後に飲食している
  • 食後、長い時間が経過した後に歯みがきをしている
Q.むし歯でも自然に治ることがあると聞きましたが本当ですか?
A.ごく初期のむし歯(表層化脱灰化病変)は好条件のもとで“再石灰化”と言ってもとに戻る場合もあります。

むし歯の予防、抑制には?

  • 口腔清掃の徹底
  • 糖類摂取の制限
  • フッ素などによる歯の質の強化

フッ化物を使ってう蝕予防

-フッ化物のはたらき-
  • 歯を丈夫にする
  • 歯の表層のエナメル質に作用し歯の耐酸性を向上させ、むし歯になりにくくする。
  • フッ素イオンは抗菌作用を持っていてむし歯菌の活動を抑制する。
※ ただし、むし歯を自覚した場合はなるべく早めに歯科医院へ行き治療を受ける。
Q.歯を白くすることはできますか?
A.できます。

例えば、

歯質の削除による修復処置

  • (従来)金属主体 → (現在)セラミック、高分子材料
  • ※ただし、歯牙組織への致命的な侵襲なくしてはなりたたない。(歯質の色調が悪いという理由だけで健全な歯質を削除することは適当ではない。)

ホワイトニング(歯の漂白)(特別な場合を除き自費診療)

  • (特徴)歯を削らなくても良いのですが、適応か否かを歯科医と相談されることをお勧めします。
  • 薬を歯に塗布することで、歯の色を改善する方法なので、『切削→修復』という方法をとらなくてすむ。

オフィスホワイトニング(診療室内)

  • 比較的、高濃度の過酸化水素を含む薬液を歯面に塗布する。
  • (利点)・短期間で色調の改善
  • (欠点)・数ヶ月から数年で元に戻りやすい。(個人差あり)
  • (薬液が高濃度の為、粘膜や舌に接触させることができないので部位が限られる。)

ホームホワイトニング(歯科医師の指導により、患者自身が自宅で行う)

  • 比較的、低濃度の過酸化尿素をゲル状にした薬液を歯型に流し込んで、一定時間装着する。
  • (利点)・白濁のない透明感のある自然の色調を得やすい。
  • (欠点)・患者さん自身が自宅で行うため、安全面で不安があり効果が出るまで時間が必要。
  • 個人差があり効果が上がらない場合や色調の後戻りもある。

子供の歯

Q.歯みがきは何歳くらいから始めたら良いのでしょうか?
A. 生後六ヶ月頃から前歯が生えはじめ、満一歳になる頃には前歯がそろってきます。歯ブラシを使う事を嫌がらない場合は良いのですが嫌がる場合は、母親が親指と人差し指にガーゼを巻き付け、歯の根元から先端に向けてガーゼを動かして汚れを取って下さい。学習能力が高い時期ですので、おかあさんが歯みがきをしているところをお子さんに見せる事も大切です。
Q.永久歯が見えないまま乳歯が自然に抜けましたが、そのまま放置していいですか?
A.抜けた原因や場所にもよりますが、いずれ永久歯が生えてくるからと放置している方を時々見かけます。特に奥歯は放置しておくと、上手に噛めず片側噛みのクセがつく心配があります。また、六歳頃一番奥に「六歳臼歯」と呼ばれている第一大臼歯が生えてきます。早期に乳臼歯を失うと 六歳臼歯の位置がずれて歯並びにも影響します。永久歯の生えてくるスペースの確保が必要な場合もあります。
Q.六歳臼歯がむし歯になりやすいと聞きましたが、なぜでしょう?
A.六歳臼歯は乳歯の影に隠れて一番奥にゆっくりと出てくるため、歯ブラシの届きにくい状態が長く続きます。スナック菓子のような食べかすが歯に残る物を食べる事が多いようです。 生える途上の六歳臼歯は歯の質が未完成でむし歯菌に対する抵抗力が弱く、歯みがきが悪いと急速に大きなむし歯に発展してしまいます。
Q.乳歯がなぜ虫歯になってはいけないのですか?
A.

乳歯は子供の健全な成長に重要な意味をもっています。乳幼児期から第二乳臼歯の生理的脱落の11才頃まで咀嚼器としての重要な役割を果たします。

後続永久歯を正常な位置に萌出させるために永久歯の道しるべの役割も持っています。このため、永久歯に交換するからといって、虫歯のまま放置してはいけません。

早期に乳臼歯を失うと6歳臼歯の位置がずれて歯並びにも影響します。永久歯の生えてくるスペースの確保が必要な場合があります。
Q.虫歯になりやすい子、なりにくい子がいるのはなぜですか?
A. 個体差を決定づけるものに大きく分けて遺伝因子と環境因子があります。虫歯はこの両因子が複雑に絡み合い形成されています。
Q.むし歯菌は、どこから来るのですか?
A. 人間は生まれ落ちた瞬間から、種々の雑菌と共存し始めます。口の中も例外ではなく、オギャーと産声を発した瞬間からいろいろな菌が住み着き始め、最終的には500種類以上の細菌が口の中に生息することになります。最近の研究によると、70%以上の確率で母親の口の中の細菌とそのお子様は同様のタイプであることがわかっています。同じスプーンや箸を使う事は注意したほうが、良いでしょう。 このような観点から、妊娠する可能性のある女性では、むし歯と歯周病の処置をきちっとしてお産や子育てを迎えることが大切です。そのことがひいては、お口の健康につながるのです。

歯周病

Q.喫煙者は歯周病の進行が早く、治癒しにくいと聞きましたが本当ですか?
A. 本当です。喫煙はニコチンの作用で血管を収縮させ歯ぐきの血行を阻害するだけでなく、歯ぐきの生体防御作用の機能低下を起こす為、歯周病の進行が早く治療が困難となります。その他喫煙は、多くの理由で歯周病を悪化させます。
Q.風邪をひくと歯ぐきが痛みだします、これって歯周病ですか
A.歯周病の短期間の急性発作(ランダムバースト)です。 歯周病は比較的短時間の活動期と長期間の非活動期を繰り返しなが ら徐々に悪化していきます。風邪や季節の変わり目など、体力が落ちると歯周病を起こす細菌から守ろうとする抵抗力が弱くなり、急性発作を起こし易くなります。つまり、歯周病を起こす細菌から身を守ろうとする宿主の抵抗力は普段、微妙にバランスが取れていて、宿主の抵抗力が落ちると相対的に細菌の攻撃力が強くなり急激な変化が起こります。
Q.歯槽膿漏は放っておくとどうなりますか?
A.歯を支えている歯周組織が破壊され、歯を支えられなくなりついには抜けてしまいます。
歯周病は噛み合わせに不具合があると、進行は早くなります。又、全体的にタバコや糖尿病なども影響します。
歯の周囲にある歯肉や骨が細菌の毒素によって侵害をうけ、ダメージをどんどん蓄積します。
(歯肉は赤く腫れる) (骨は除々に溶けていってしまう→歯がグラグラし抜けてしまう。) (むし歯よりも歯を失う確率が高い)
Q.歯周ポケットとは何ですか?
A.歯と歯肉の間には、健康な人でも通常1~2mmの深さの溝があり、これを「歯肉溝」といいます。この歯肉溝に歯垢(プラーク) がたまると、この中に含まれている歯周病を引き起こす細菌による感染が生じます。そして徐々に感染による炎症が歯肉の内側に波及し、歯と歯肉の間にポケット状の裂け目ができます。これを「歯周ポケット」といいますが、その深さが深いほど歯周病は進行しているということができます。
したがって、できるだけ早期にこの歯周ポケットの中の歯垢や歯石を取り除くことが大切ですが、日常のブラッシングだけでは、このポケットの中の歯垢は取りきれないものです。定期的にかかりつけの歯科医院で、歯周病のチェックを受けることをお勤めします。
Q.歯周病の早めの治療とは、どんな症状のときに行えばよいのですか?
A.歯周病は大変に毒性の強い、特殊な細菌による感染症です。そして歯や歯周組織は、いつもその感染の危険にさらされています。と ころがやっかいなことに、歯周病の感染の初期にはほとんど自覚症状がないか、あってもごく軽微で長くは続きません。ですから多くの患者さんは、歯周病の感染に気づかないうちに病態は進行していくというのが普通です。
ブラッシングをすると出血する、あるいは水がしみる、歯肉がむずがゆい、違和感が あるなどいつもと違う不快症状がでてきたら要注意です。この段階で正しいブラッシングによるプラークコントロール(口腔清掃)や、歯科医師や歯科衛生士による簡単な処置を行ってこそ、歯周病の進行は抑える事ができるのです。
歯周病治療前 歯周病治療後

歯並び

Q.歯科健診で歯並びの治療勧告を受けました。どうしたらよいでしょうか?
A.学校健診などで歯並びの検査をすることは、単に矯正治療を勧めることではなく、児童生徒に自分の歯並びの状態を理解してもら い、助言を与えることにあります。歯並びの状態によっては、歯並びに悪い影響を与える癖を早く治したり、正しい噛み方をすることで自然に治ることも少なく ありません。また検査の結果矯正治療が必要となった場合でも、早期に治療することで重度の不正を回避出来る場合もあります。歯並びの異常を指摘されたら、 かかりつけの歯科医院で相談してみて下さい。一般に本格的矯正治療は多くの時間を必要とします。またほとんどの矯正治療は保険がきかないため、多くの費用 がかかります。 よく相談の上、納得してから治療を受けられることをお勧めします。
Q.成人でも矯正はできますか?
A.成 人の方でも矯正治療は可能です。特に年齢制限はありません。しかし、成人は若年者に比べて矯正治療に対する生物的適応が低いので、理想的な形の歯列や噛み 合わせをつくることが少し困難になります。また歯が動くスピードが若年者より遅いので、治療期間がやや長期になる傾向があります。 更に重度の虫歯や歯周病(歯槽膿漏)が無いなど、適応が限られてきます。歯科医院で相談してみて下さい。
Q.何歳から矯正を始めるのが良いでしょうか?
A.矯正の開始時期については治療の年齢制限がないため、あまり明確な基準がないのですが、一般的には、永久歯が生えそろった12 歳くらいから20歳くらいまでが適当と考えられます。この時期は歯の移動がスムースに行われやすく、比較的短期間の治療が可能です。しかし、歯列不正の状 態によっては、4~5歳くらいの乳歯の時期から始める場合や、様々な理由から成人になってから治療を開始しなければならない場合もありますので、歯並びが 気になったら、出来るだけ早期に歯科医院で相談されることをお勧めします。
Q.うちの子の前歯の生え方がおかしいのですが…。
A.遺伝的に顎骨と歯の大きさに異常なアンバランスがあったり、顎骨の劣成長や小帯と呼ばれる軟組織異常、舌の異常習癖、弄指癖(指しゃぶり)、過剰歯などがあるお子さんでは、歯並びの異常がそのまま解消されないケースも考えられます。

詰め物の悩み

Q.歯を抜いたあとは義歯を入れないといけないですか?
A.人の歯は隣同士の歯が支え合っていると同時に、上下の歯がお互いに噛み合うことで、その位置を保っています。そのため、歯が抜 けたままにしておくと、安定性が失われていろいろな不都合が起きます。たとえば、歯を失ったままで放置していると、隣の歯がだんだん倒れ込んできてしまい ます。更に抜けた歯の反対側の歯(例えば上の歯が抜けた場合は、その下あごの歯)が飛び出てきます。結果として噛み合わせはくるい、虫歯も出来易くなりま す。更には、多くの歯が抜けたままで長期間放置され、片側だけで噛み続けていると顔がゆがんでくる可能性もあります。そのため歯が無くなったところには、 隣の歯などに固定するブリッジや取り外し式の入れ歯、更には人工の歯根を顎の骨に埋めるインプラント等で補うことをお勧めします。歯科医院でご相談下さい。
Q.詰め物には、どんな材料が使われていますか?
A.歯に詰める材料は昔から金属やアマルガム(水銀と銀などの合金)が主に使われてきました。最近は前歯のむし歯はもちろんのこ と、奥歯でもむし歯が比較的小さい場合などは、歯と同じような色のコンポジットレジン(強化プラスチック)が使われることが増えてきました。しかしむし歯 の状態によっては、金属を詰めたりかぶせたりすることも多くあります。また、金属アレルギーのある方や、美観上の問題などから、セラミックなどの保険のき かない材料を使う方法もあります。いずれにしてもむし歯の進行状態や大きさ、場所などにより治療の方法が異なりますので、歯科医院で相談して下さい。
Q.歯に詰めてもらいましたが、冷たい物がしみます。どうしたらよいでしょうか?
A.一般にむし歯などの治療においては、むし歯が再発しないように、感染した部分を出来るだけ完全に削り取って、詰め物を入れる処 置をします。つまりむし歯が少し深い場合は、神経に近いところまで歯を削らなければなりません。その場合、詰め物を入れた後に軽い痛みが出たり、しみたり することがあります。しかし、ほとんどの場合は時間の経過とともに徐々に痛みが無くなっていきますので、心配ありません。もし症状が悪化したり、一ヶ月以 上経っても症状が改善しない場合は、もう一度歯科医院に行って相談された方が良いと思います。歯の神経が異常をきたして、神経を取る処置をする必要がある かもしれません。
Q.歯の神経をとったのに、まだ噛むと痛むのですが...。
A.進行したむし歯などが原因で歯の神経(歯髄)に炎症が及んだ場合、やむを得ずこれをとり除く治療(抜髄治療)を行うことがあり ます。その後、副作用的に歯の周囲に炎症(細菌感染を伴わない単純性炎症)を引き起こすことがあります。噛んだときに痛みが発生する原因となっているので す。このような痛みは、治療を受けた日から通常2~3日、長くても1週間程で自然消失する場合が多く、それほど心配はいりません。 しかし、非常に進行したむし歯などでは、稀ですが抜髄治標を行ったにもかかわらず、一時的にかえって痛みが増大したり、歯肉に腫れをきたしたりすることもあります。

入れ歯

Q.奥歯2本を抜いて入れ歯をいれました。なじめずはずしたままにしています。そのままで良いですか?
A.歯を抜いたままあまり長く放置しておきますと、いろいろな障害が出てきます。抜けた歯と対合する歯が延びてきたり、後方の臼歯が前に傾斜したり、前方に移動したり、歯列にすき間ができたりします。また、噛み合わせもおかしくなり異常をきたすことがあります。
第一大臼歯が抜けた場合は30%以上も咬む力が減少し、残った歯や消化器官にも負担がたくさんかかるようになります。できれば早く歯を入れるようにした方 がよいでしょう。歯を入れる方法はいろいろありますが、いずれの方法にも長所と短所があります。歯科医とよく相談してみてください。
Q.入れ歯を入れた後も治療や定期検診に行かなければならないですか?
A.髪の毛が一本だけお口の中に入っただけでも気になるほど敏感な口腔に入れ歯を入れるのですから、入れ歯に慣れ自分に最もよく合うものになるまでにはリハビリの期間が大切で必要です。違和感が強くて慣れにくい時、接触が強すぎる場合にも、通院して歯科医とともに根気よく努力されれば、快適な入れ歯となります。また、年月に伴う口の中の変化や、人工歯の磨耗などによって入れ歯が合わなくなることがあります。このような入れ歯を長い間使用していると、残った歯・歯ぐき・顎関節などお口全体に悪影響が生じます。定期的に通院することで問題点を解決し、入れ歯とうまく付き合いましょう。
Q.もっと薄くて、良い素材の入れ歯はありますか?
A.一般的に入れ歯の材料にはプラスチックと金属があります。 チタンや白金などの金属はプラスチックに比べると、
  • 薄くすることが可能で異物惑が少ない
  • 破損しにくい
  • 表面が滑沢で吸水性がなく衛生的である
  • 熱伝導性が良好なので食吻の冷熱変化が判りやすく味覚も感じやすい
等の長所があります。
しかし、良いことばかりではなく修理や調整がプラスチックに比べ困難な場合が多く、また金属の入れ歯は保険対象外になります。従って残っている歯や顎の状態によってはプラスチックの入れ歯の方が良い場合もありますので、歯科医と良く相談することが必要です。
Q.寝るときは、入れ歯は入れたままでよいですか
A.歯科の専門学会でもはずして寝るべきか、入れたまま寝るへきか、意見が分かれているところですが、基本的には、夜間就寝時も義 歯(入れ歯)は入れていることをお勧めします。その理由は、天然歯と同じような生理的な痛み合わせの確保であり、また、いわゆる老人性の顔貌でない自然な 顔貌の確保にあります。つまり、自分の歯が存在している口腔の状態を維持する必要があるからです。
しかし、このことをするには条件があります。それは、義歯の粘膜面と自分の顎の粘膜を食後に歯ブラシでしっかりとみがくことです。そして、顎の粘膜をみがいている間、清掃剤に義歯を漬けて化学的清掃を行います。
このように手入れをしておけば、夜間義歯を入れていることで、顎の粘膜に悪い影響を及ぼすことはありません。しかし、就寝時に義歯を入れていることでかえって苦痛を感じ、熟眠できずに睡眠不足になり、ストレスになるようであれば、むしろはずして寝た方が良いと思います。

親知らず

Q.むし歯でもないのに、どうして痛むのですか?
A.永久歯は親知らずを含めると32本の歯がありますが、親知らずは最後に生えるため生える場所がなくなる場合が多く、完全に生えなかったり、斜めに生えたりするのです。その結果、親知らずの周囲が不潔になりやすく、炎症を引き起こしやすいのです。深いところに炎症は引き続き残り、再発を繰り返します。これを智歯周囲炎と言い、腫れや痛みの多くはこれが原因となります。また炎症だけではなく、むし歯・歯周病にもなりやすいのです。ブラッシングにより清潔を保つことが重要ですが、親知らずが原因で炎症を起こしている場合は早く受診することをお勧めします。
Q.親知らずは必ず抜かねばなりませんか?
A.親知らずは最後に生えるため生える場所がなくなる場合が多く、完全に生えなかったり、斜めに生えたりするのです。その結果、親知らずの周囲が不潔になりやすく、炎症を引き起こしやすいのです。深いところに炎症は引き続き残り、再発を繰り返します。これを智歯周囲炎と言い、腫れや痛みの多くはこれが原因となります。また炎症だけではなく、むし歯・歯周病にもなりやすいのです。
親知らずは必ず抜歯しなければならないというわけではありません。決められた場所にきちんと、うまく生えて他の歯と同じように歯としての機能を有している場合、あるいは骨の中に完全に埋伏した状態で、炎症を起こしたり、障害を起こしていない場合は抜く必要はないでしょう。 あくまでも生え方が悪く炎症を起こしている場合、むし歯がひどく他に治療法がない場合、顎の大きさと調和できず歯並びを悪くする原因となっている場合は抜歯となります。抜く時は腫れが強い時やあまり痛みがひどい時は避けて、炎症が治まり全身状態の良い時に抜いたほうが良いでしょう。
Q.親知らずを抜くと腫れたり痛んだりすると聞きました。本当でしょうか?
A.親知らずに限らず歯を抜いた後、腫れや痛みが出ることがあります。特に親知らずの抜歯は難しい手術となることが多く腫れや痛みが出る確率は高くなります。また炎症が強い時に抜くと、麻酔が効きにくく、腫れや痛みが強くなります。抜歯後の腫れや痛みを予防したり軽減させる為には、お薬は指示どおりに服用する、抜歯した当日はうがいをしすぎない(血の塊が取れて骨が露出し、感染症にかかりやすくなる)、過激な運動・飲酒・喫煙・熱い風呂は避け安静に過ごすなどに注意することも必要です。お口の中を清潔に保ってうまく乗り切りましょう。

歯ぎしり

Q.歯ぎしりは良くない事ですか?
A.人間の顎は、進化的には魚の鰓(えら)から発達してきた事が解っています。 後に、手や足の様に自分の思うままに動かせる能力を獲得したのですが、肺や心臓の様に意識とは違うレベルで自律的に動くという本来の性格も残しています。無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりをしているのは、そういう顎の持つ性格によるものだと考えられています。 アメリカ睡眠障害学会では、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりそのものを異常なものであるとはとらえていません。ただし、性格、ストレス、薬などの影響で強調されることがあり、歯ぎしりなどが異常に増強した場合には病的な状態を招くとしています。歯ぎしりそのものを止めさせるというよりは、軽度に、いかにスムーズな歯ぎしりを行うことが出来るかという事を、治療の方針として考えるようになってきました。ネズミを使った動物実験ですが、電気ショックをストレスとして与え、血液中の反応物質の量を、歯ぎしりをさせたものと、させないものとで比較すると、歯ぎしりや食いしばりによって血液中のストレス反応物質の量が抑制される事も証明されています。
Q.睡眠時無呼吸症候群と診断されました。改善することはできますか?
A.この疾患への対応は医科(例えば耳鼻科)との連携が必要です。歯科だけで診断、処置等を行えるものではありません。 無呼吸とは10秒間の呼吸の停止と定義されます。それが1時間に5回以上記録される場合は病的と考えられ、その他、いびき、日中の異常な眠気、起床時の頭痛、熟睡感が無いなどの症状が合併しているとき睡眠時無呼吸症候群と診断されます。この疾患は、睡眠中の無呼吸によって分断された睡眠がもたらす様々な悪影響の他、高血圧、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などのリスクファクター(マイナス要因)として臨床上重要視されています。 診断には終夜睡眠ポリグラフィー検査を行います。測定する項目は、睡眠状態をみるために脳波・筋電図・眼球運動、そして睡眠中の呼吸の状態をみるためにお腹と胸の動き、さらに血液中の酸素濃度などです。 治療法は、まず患者さんには(1)睡眠中の体位の工夫(2)体重コントロール(3)生活習慣の見直し、等を行ってもらいます。医療機関では、(1)CPAP治療(経鼻的持続陽圧呼吸療法)(2)手術療法 (3)歯科装具による治療を行います。このうち歯科装具は、睡眠中に装着し、気道スペースを広げ、気道の閉塞を防ぐ物です。
Q.歯ぎしりの予防法はありますか?
A.団体旅行などで人に迷惑をかけるのではないか?今後、噛めなくなるのではないか?など不安はあると思います。健康保険ではそのような方の為にナイトガードと呼ばれているボクシング等で使用されるマウスピースのような予防・改善器具の作製が認められています。 原因は心因性・噛み合わせ、など複合的なので対症療法が中心となりますが、改善できる場合もありますので、歯科医院でご相談下さい。

口臭

Q.口臭の原因は何ですか?
A.口臭は口腔疾患から発生することが多く、口の中にいる細菌が食べ物のカスなどを栄養源にして増殖することによります。また、細菌が過度に増殖するとやがて歯肉の炎症を引き起こし、重度になると膿や出血が日常的に出る「歯周病」となります。
口臭は生理的口臭・病的口臭・心因性口臭に分類されます。
(1)生理的口臭:寝起き時、緊張時、疲労時に唾液の分泌量が減り、自浄作用が低下した時。
(2)病的口臭:口腔内の病気(むし歯、歯周病、劣化した詰め物、舌に付着した汚れ)がある時、また全身疾患(鼻、呼吸器、胃、肝臓疾患、糖尿病)でも生じます。
(3)心因性口臭:精神的口臭(口臭がないのに思い込んでしまう)ほとんどはお口の中の病気によるものが多く、臭いは細菌によって産生されるメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物です。
Q.口臭の予防法はありますか?
A.口臭は、口腔疾患から発生する事が多く、口の中にいる細菌が食物のカスなどを栄養源にして増殖する事によります。また、細菌が過度に増殖するとやがて歯肉の炎症を引き起こし、重度になると膿や出血が日常的に出る「歯周病」となります。毎日のお口の清掃はもちろんですが、歯科医院でのむし歯の治療、歯周病の治療や定期検診を行う必要もあるでしょう。
Q.朝、起きた時の口臭が気になります。どうしたら良いですか?
A.寝起き・空腹時には唾液の分泌量が少なく、自浄作用が低下するために口臭が発生します。これらは生理的口臭と呼ばれ、健康な人にもあり、口をゆすいだり、歯みがきをする事で軽快します。お口の中は絶えず唾液で洗い流されていて、その量は一日でも増減します。たとえば、食事中は多く分泌され。就寝中はもっとも減少します。また、緊張した時も唾液は減少します。

歯の外傷

Q.外傷により歯が抜けた場合、抜けた歯を元に戻すことはできますか?その場合、歯科医院で受診するまで抜けた歯を保存する方法を教えてください。
A.事故や怪我により抜けてしまった歯は、条件しだいで元に戻すことができます。歯の根の表面細胞のダメージが小さいほど予後は良くなります。そこで、牛乳を満たした容器の中、あるいは口の中(頬の粘膜と歯の間)に入れておきできるだけ早く歯科医院に行きましょう。歯が抜けてからの経過時間が短いほど歯を残せる可能性が高くなります。
Q.子供の歯がケガで折れたのですが大人の歯への影響はありますか?
A.どの部分で折れた場合でも歯科医の適切な処置により大人の歯への影響を最小限に止めることができます。表層のエナメル質の部分のみの破折なら痛みが無くしみない場合もありますが、受傷した外力により歯の神経が壊死をおこし、永久歯の形成に障害が起こることがありますので注意が必要です。
Q.外傷を防ぐマウスガードとはどんなものですか?
A.格闘技やフットボールなど体が激しくぶつかりあうスポーツで、歯や顎の骨が折れたり、口の中の粘膜が傷つかないように口の中を保護する器具です。軟性のプラスチックでできたマウスピースで、上の歯全体に被せて使います。 スポーツ用品店などで販売している既製品と歯科医院で歯形をとって作るものがあります。

要介護者のお口の悩み

Q.寝たきりの方、障害のある方の歯磨きはどのようにしたら良いですか?
A.その障害度により異なりますが、歯みがきは一本ずつ丁寧に磨く一般的な方法で良いと思います。但し、どこまで健常者と同じに出来るかでみがき方は変わってきます。他者が歯みがきをする場合は頭と身体を充分に固定し、出来るだけ座位・半座位(上体を30度起こして頭の下に枕を入れて固定)で行います。これが出来ない場合は麻痺の少ない側にお顔を下に向けて歯みがきします。この事で誤嚥防止に役立ちます。体位が決まったら始めます。うがいの出来る方なら普通に歯みがき粉をつけて行います。リハビリも兼ねて最初は自分でみがいてもらい、仕上げは介助者が行うと良いでしょう。電動歯ブラシも有効です。 寝たきりで体位が変えられない場合は、お口の清拭を行います。割りばしに綿花を巻いて含嗽剤(イソジン・アズレンなど)を含ませて清拭すると清涼感もあり細菌量も減少します。 経管栄養の方も歯が残っている場合は清拭します。食物を口にしなくても胃液や唾液中に含まれる細菌が歯に付着しますので、むし歯や歯周病になりやすいからです。 在宅介護でお口のケアを行う事は介助者にとって負担になりますが、口臭を抑えたり誤嚥性肺炎の防止になりますので、頑張ってお世話をお願い致します。
Q.訪問診療をうけるにはどこに連絡すれば良いですか?
A.山口県在宅歯科保健医療連携室にて、訪問診療のお申込み、ご相談を受け付けております。

妊娠中の歯痛

Q.妊娠中に治療できますか?
A.妊娠中の歯科治療は可能です。痛みを我慢してストレスをためるよりは、歯科治療を受けて快適に日常生活を過ごすほうが母体にも胎児にも良いと考えられています。但し、妊娠中であることを主治医に告げることは忘れないでください。
Q.昔の言い伝えで「妊娠すると赤ちゃんに栄養をとられ歯がガタガタになる」というのは本当ですか?
A.昔から「一子産むと 一歯失う」と言われてきましたが、子供を産んだからといって歯が悪くなる事は無いというのが定説です。しかし、妊娠という特殊な条件で、歯や口腔内に支障をきたし易いことも事実です。まず、妊娠によってホルモンバランスが変化し、歯肉炎が発症しやすくなります。また、つわりの時期には胃液の逆流・刷掃時の不快感など口腔内が酸性化し易い環境となります。その為、むし歯・歯肉炎は発症しやすく、体調を崩したりすると口腔清掃が難しくなります。このような事から、出産を経験すると歯が悪くなると言い伝えられて来たと思われますが根拠はありません。
Q.妊娠中の歯科治療の注意事項を教えて下さい。
A.まず最初に妊娠中であることを主治医に必ず告げてください。妊娠中の歯科治療は可能なのですが、注意しないといけない事があります。妊娠初期は胎児のさまざまな器官が形成される時期で、レントゲン撮影やお薬に特に気を使う必要があります。この時期は流産を起こし易く、つわりも生じてくるのであまり治療に適していません。妊娠後期も早産につながりかねません。したがって妊娠中期(妊娠5~7ヶ月)が治療に適しています。必要に応じて産科医・歯科医と連絡を取り合い治療を行うことをお勧めします。

予防

Q.歯科健診でCOの診断を受けました。どうしたらよいでしょうか?
A.CO(シ-オ-)とは現在のところむし歯とはいえませんが、口腔環境が悪ければむし歯に発展する可能性が高く、また逆に良けれ ば健全歯に移行する可能性のある状態の歯です。そのため毎日きれいに清掃し、甘味飲食物の摂取制限や生活リズムの改善などむし歯に移行しないようにする努 力が必要です。フッ素・キシリトールの効果的な使用も有用です。定期的に歯科医院を受診し、良好な状態に保たれているか確認してもらう事をお勧めします。
Q.定期健診は必要ですか?
A. 歯科における二大疾患であるむし歯と歯周病は生活習慣病です。たとえ治療が終わっても再発しやすい病気です。せっかく回復したお口の健康をずっと維持するためには、毎日のきちんとした歯みがきと規則正しい生活習慣、そして専門家による定期的なチェックが必要です。
定期検診を受けることにより早期に疾患を発見できるメリットがあります。 重症化すると治療期間がかかり治療費も高額になります。そのようなことを避けるためにも定期検診は必要です。
Q.フッ素は安全ですか?
A.フッ素は歯の表面のエナメル質を改善し、かつ強くします。さらに再石灰化を促進する作用があります。また、むし歯菌の成長を抑制し酸産生を阻害するなどプラーク(歯垢)抑制効果もあります。このためフッ素を有効に利用する事は大きなメリットがあります。一部に安全性に問題があるという意見もあります。たとえばフッ素洗口後、洗口液を吐き出しても全体量の10~20%の液がお口の中に残りますが、その量は毎日紅茶1~2杯飲んだ時のフッ素量とほぼ同じです。フッ素の性質をよく知った上で、使用方法や使用量など歯科医と相談して、効果的に使用することが勧められます。
Q.歯垢と歯石はどう違いますか?

A.歯垢(プラック、プラーク)とは、歯の表面に付着した微生物の集団のことで、虫歯や歯周病の原因となるものです。歯垢を食べ物のカスと思っている方も多いようですが、全く違うものです。食べ物のカスはうがいで取れますが、歯垢は歯に粘着しているので、うがいでは取れません。正しい歯磨きによってのみ取ることができます。ただし歯周病が進行すると、歯と歯ぐきの間に深い溝(ポケット)ができます。ポケットの中の歯垢は歯磨きでは取れませんので、歯科医院で取ってもらいましょう。
歯石は、歯垢に唾液中のカルシウムやリンが付着し石灰化したもので、化石のようなものです。昔は、歯石が歯周病の原因と考えられてきましたが、歯石そのものは歯垢のように感染したり毒素を出したりして歯ぐきに悪い影響を与えるものではないことがわかってきました。しかし、歯石の表面は粗造で、歯垢バイキンの住家になるので、歯垢のコントロール(プラークコントロール)の一環として歯石は取ってもらいましょう。

その他

Q.マウスガードとは何ですか
A.マウスガードは、ボクシングではマウスピースとも呼ばれています。3ミリくらいの厚さのやわらかいプラスチックでできていて、 上の歯にかぶせ、歯や口の中を保護する器具です。ラグビー・空手・バスケットボールなど、体が激しくぶつかり合うスポーツで、試合中に他の選手とぶつかっ たときに、歯が折れたり、口の中が切れたりすることを防ぎます。 スポーツ用品店で購入して自分であわせるものと、歯科医院で歯型をとって作るものがあります。
Q.口腔癌は、どんな病気ですか?
A.口の中にできる癌を総称して口腔癌といいます。舌が一番多く、歯肉・舌下・頬の粘膜・唾液腺・顎にも発生し、ほとんどの場合は 目で見える潰瘍となりますが、口内炎のように接触痛はあまり無いのが特徴です。不適合な入れ歯の長期使用やむし歯で崩壊した歯の縁が粘膜を刺激して癌化す る事もあります。最近の研究では良く噛んで唾液を出すと数多くの酵素やホルモンが分泌され予防に役立つ事が解ってきました。
Q.1本のむし歯の為に何度もレントゲンを撮っても害はないのでしょうか?
A.原発などの放射能とレントゲンの放射線は必ずしも同一ではありません。統計的な理論値では危険がまったく無い訳ではありません が、歯科X線検査は撮影範囲が極小であり、身体に対する影響はほとんど無いでしょう。歯科治療は石のような歯・骨を対象にしていますので、治療の正確さを 確認する為にX線撮影は重要な資料となります。4 歯に詰めた金属によるアレルギーが心配なのですが...。 歯科の治療では以前から金、白金、パラジウム、銀、コバルト、ニッケルなどの金属を合金の形で使用してきました。これらは優れた歯科材料として治療を行う上で重要な役割を担っています。 しかし、口腔内という特殊な状況下では常に唾液に侵されているために微量金属イオンが溶出し、それが生体内のタンパク質と結合し、本来生体内には存在しない異種タンパクができあがります。この異種タンパクに対する拒絶反応としてアレルギーが起こるのです。 この歯科用の金属によるアレルギーは、薬物や食物によるアレルギーに比べて非常にまれにしか発現しませんが、一種のアレルギー性皮膚炎(かぶれ)の症状が起こることがあります。      そういう症状のある方は歯科用の金属だけでなく日頃身につけているアクセサリー(ピアス、ブレスレット、腕時計など)など心当たりのある金属製品をすべて チェックしなければなりません。一度皮膚科でパッチテストを受けて、アレルギーの原因である金属を調べてもらってください。歯科材料の中にはポーセレン (セラミック)、プラスチックなど代用可能なものもありますので、金属アレルギーが心配な方は、かかりつけの歯科医院でご相談ください。